MEDICAL TENANT

クリニック開業の物件探しは、
いつ・何から始めるのか

開業を考え始めたばかりの段階では、「物件はまだ先の話」と感じる方がほとんどです。しかし実際には、物件が決まる時期は想像より早く、そして物件はあとから変更できない唯一の意思決定です。このページでは、開業準備の全体像の中で物件がどこに位置するのかを整理します。

このページで分かること

  • 開業準備の全体像と、物件を探し始めるべき時期
  • 物件選びで失敗が起きる3つの構造
  • 物件タイプごとの向き・不向き
  • 今の段階で自分が何をすべきか

読了の目安:約6分/株式会社PG Asset(東京都品川区)

01

開業準備の全体像と、物件が決まるタイミング

開業までの流れを時系列で並べると、物件がどこで決まるのかが見えてきます。以下は一般的な目安で、診療科や物件の状況によって前後します。

  1. 18〜24か月前 情報収集・方向性の検討多くの方がここ 開業の可否、診療科の方向性、おおまかな資金感を考え始める段階。まだ具体的な行動は起こしていないことがほとんどです。
  2. 12〜18か月前 診療圏調査・エリア選定物件の相談はここから どのエリアで開業するかを決める段階。この時点でエリアの賃料水準・空き状況を把握しておかないと、事業計画そのものが現実と噛み合わなくなります。
  3. 9〜12か月前 物件の選定・契約物件が確定 候補物件の内見、建物設備の検証、条件交渉、契約。ここで立地と建物条件が固定され、以降は変更できません。
  4. 6〜9か月前 内装設計・施工/資金調達 保健所の構造設備基準を満たす設計を行い、施工します。物件が決まらないと設計に入れないため、ここが後ろ倒しになると全体が遅れます。
  5. 3〜6か月前 スタッフ採用・医療機器の選定 採用活動と機器の発注。機器は物件の電気容量・床荷重の制約を受けるため、物件条件と切り離せません。
  6. 0〜3か月前 各種届出・開業準備 保健所への開設届、厚生局への保険医療機関指定申請、内覧会や告知の準備。
この章の結論

物件を探し始めるのは開業の12〜18か月前。つまり「まだ早い」と感じている今の段階が、実は情報を集め始める時期にあたります。

逆算すると、内装工事に数か月、設計と資金調達にも数か月かかるため、物件が決まらない限り他の準備は動き出せません。物件は開業準備の最初のドミノです。

「開業するかどうかも、まだ決めていない」という段階でも構いません。エリアの賃料水準や空き状況を知っておくだけで、事業計画の精度は大きく変わります。

02

物件選びで失敗が起きる3つの構造

物件選びの失敗は、判断力の問題ではなく見る順番と見る項目の問題として起きます。典型的なパターンは3つです。

01

「不動産の条件」だけで比較してしまう

賃料・広さ・駅距離を並べた比較表には、その物件で何人の患者が来るかという最重要の変数が入っていません。賃料が2割安い物件が診療圏人口で3割劣るなら、選ぶべきは高いほうです。物件は「コスト」ではなく「売上を規定する設備投資」です。

02

内装工事の制約を契約後に知る

給排水の増設可否、電気容量、床荷重、排気、天井高——医療機関には一般テナントにない要件があります。これらは建物の図面と管理規約を見ないと分かりません。契約後に判明すると、工事費の増加か物件の再検討かの二択になります。

03

貸主の承諾を確認していない

物件が物理的に適していても、貸主が医療機関の入居を認めていないことがあります。区分所有ビルの管理規約、他テナントとの兼ね合い、看板の掲出条件も建物ごとに違います。口頭の了承では足りず、契約書の条文で確認する必要があります。

この章の結論

3つに共通するのは、確認すべきことを「申込の前」ではなく「契約の後」に知るという時間の順序の問題です。建物条件と貸主の承諾は、申込前に潰しておけば損失になりません。

03

物件タイプごとの向き・不向き

どのタイプが優れているということはなく、狙う患者層と診療スタイルによって答えが変わります

ビルテナント(駅前・オフィスビル)

向いているケース

就業層を主軸にする場合。視認性と交通利便性が高く、通勤動線を取り込めます。

注意点

賃料水準が高く、階層によって視認性が大きく落ちます。土日の来院は見込みにくくなります。

医療モール

向いているケース

他科との相互紹介が見込める診療科。調剤薬局が併設されることが多く、患者の利便性も高くなります。

注意点

同一診療科が既に入居していれば選択肢から外れます。モール全体の集患力に自院の業績が左右されます。

路面店舗(ロードサイド・商店街)

向いているケース

居住層を主軸にする場合。看板や外観で認知を得やすく、駐車場を確保できれば車での来院に強みが出ます。

注意点

エリアの人通りに業績が左右されます。屋外広告物条例により、看板の条件が地域ごとに大きく異なります。

居抜き(前医院の設備が残る物件)

向いているケース

残置設備が自分の診療科に合う場合。内装工事費と工期を圧縮でき、医療用途としての実績もあります。

注意点

設備が診療科に合わなければ結局作り直しになります。前医院のイメージを引き継ぐリスクもあります。

この章の結論

タイプを選ぶ前に決めるべきは「就業層を狙うのか、居住層を狙うのか」です。ここが決まっていないと、どのタイプでも中途半端になります。

04

いまの段階で、何をすべきか

開業を考え始めた段階で、物件について着手できることは限られています。逆に言えば、以下が埋まっていれば十分です。

いま答えられるか確認してみてください

開業したいおおよその時期(何年後か)が決まっている
主軸にしたい患者層が、就業層か居住層かを決めている
開業したいエリアの候補が2〜3か所に絞れている
そのエリアの賃料水準を、実際の募集物件で把握している
導入したい医療機器の種類と、必要な面積の見当がついている
3つ以上に「いいえ」がつく場合:まだ情報が足りない段階です。事業計画を作り込む前に、エリアの実勢を知ることを優先してください。
4つ以上「はい」がつく場合:具体的な物件の検討に入れる段階です。
よくある誤解

「物件を紹介してもらう=すぐ契約を迫られる」と考えて、相談を先送りにする方が少なくありません。しかしエリアの実勢を知らないまま作った事業計画は、物件を探し始めた時点で作り直しになります。情報を得ることと、契約することは別です。

株式会社PG Assetは、東京都品川区を拠点に医療機関向けのテナント仲介を行っています。開業時期が未定の段階でのご相談も承っています。開業支援・集患マーケティングについては、グループ会社の株式会社PG Labと連携して対応します。

よくあるご質問

まだ開業時期も決めていない段階で、相談してもいいのでしょうか。
問題ありません。むしろ早い段階のほうが選択肢が広く残ります。エリアの賃料水準や空き状況を知らないまま事業計画を立てると、後から計画自体を作り直すことになります。時期未定・診療科未定の段階でのご相談も承っています。
物件はいつから探し始めるべきですか。
一般的な目安として、開業の12〜18か月前からエリアの検討を始め、9〜12か月前に物件を決めるケースが多くなります。内装工事に数か月かかるため、逆算するとこの時期になります。「まだ早い」と感じる段階が、実は情報収集を始める時期です。
一般のテナント物件とクリニック用の物件は何が違うのですか。
給排水・電気容量・床荷重・排気などの設備条件、看板の掲出可否、他テナントとの競合関係、そして「医療機関としての使用」を貸主が承諾しているかどうかが異なります。一般テナントとして募集されている物件が、必ずしもクリニックとして使えるとは限りません。
開業支援や集患のコンサルティングもお願いできますか。
株式会社PG Assetが担うのは不動産としての物件仲介です。開業支援・集患マーケティング・経営改善・事業承継については、グループ会社の株式会社PG Labが担当します。物件探しから開業後の運営まで、グループとして連携して対応します。

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株式会社PG Assetは、東京都品川区を拠点に医療機関向けのテナント仲介を行っています。 開業支援・集患マーケティングはグループ会社の株式会社PG Labと連携し、物件探しから開業後までを一貫してサポートします。